暑中お見舞い


平成29年7月
日本肥料アンモニア協会
会 長 山本 謙







 暑中お見舞い申し上げます。
 
 この度、豪雨で、大きな被害を受けられた被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。今後、一刻も早く復旧され、従来の生活を取り戻されます様、お祈り申し上げます。
 
 昨年7月に日本肥料アンモニア協会会長に就任して、早2年目に入っておりますが、私達の業界を取り巻く情勢は相変わらず厳しく、より一層深刻さを増していると思われます。
 私どもは、アンモニアなどの関連製品から最終製品の肥料までを取り扱う幅広い業界ですが、対処すべき問題は山積しております。
 需給構造の変化によって、アンモニアの重要な川下製品であるカプロラクタム、そしてアンモニアの国内生産の縮小、関連企業の事業撤退など国産アンモニアの産業基盤は脆弱化しつつあります。
 
 一方、わが国の農業の現場では、農業従事者の高齢化、農地面積の減少、耕作放棄地の増加、後継者不足など、農業の疲弊が進行しており、肥料需要は停滞しています。こうしたことから政府は、農業者の経営安定や収支改善を図るための施策をまとめた「農業競争力. 強化プログラム」を決定しました。内容的には「全農」の組織刷新を柱とする農業改革方針であります。
 これを受け全農は、農家の施肥コスト低減に向けた動きとして、生産者の事前予約注文を全農に積み上げる予約・受注方式に変更することや、化成肥料の銘柄集約により絞り込んだ銘柄について相見積り・入札などにより価格を徹底比較する新たな手法を導入し、肥料価格の引き下げをめざすことを発表しました。
 このことに対し私共メーカー側は、可能な限り対応してまいりたいと思っておりますが、銘柄集約だけでコスト削減できないこと、低価格肥料だけが農家の要請ではないことを引き続き政府にアピールして参りたいと思います。
 加えて、低価格の肥料や、高品質で農家のニーズに即応した肥料の提供など、言わば二極化に対応出来るよう不断の取組を進めていく必要があると思っております。
 
 我が国の経済は、米国のトランプ大統領就任後円安基調に推移し、企業の輸出生産面において回復基調に推移しており、政府においても、「経済の好循環は確実に改善している」としています。
 しかし、実際は設備投資や個人消費の動きは力強さを欠いていると思います。
 
 世界に目を転じると、Brexit(イギリスのEU離脱)は交渉が始まったばかりです。アメリカのトランプ大統領はパリ協定からの離脱を公式に発表しました。フランス大統領選挙は若いマクロン大統領が誕生しました。9月にはドイツ連邦議会選挙がございます。ドイツの選挙結果次第では、政治的なリスクも懸念されます。EUやユーロ圏の行方が世界経済を大きく揺るがすかも知れません。一方、アジア圏においては、韓国の文大統領が誕生、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験を行うなど挑発を続けています。中国も軍事力を更に高めつつあり、東アジアの緊張は高まっており、不透明感は増幅しています。
 
 一方、農業関連に目を転じれば、世界人口の増加による食料需要の増加が確実視されており、供給面では不安材料が山積みされています。
 世界の食料生産能力は、地球温暖化、砂漠化、農業用水の不足等様々なマイナス要因もあり、飛躍的な上昇は期待できない環境にあります。食糧消費が着実に増加する一方で、生産が不安定であるという構造的課題が深刻さを増す中で、農産物生産にとって不可欠な肥料の役割は、今後ますます重要性が高まると予測されています。私共も、食糧の増産確保のため、良質で高品位な肥料の提供で社会貢献できる企業として努力してまいります。
 
 私共の業界には依然として対処すべき難問が山積しておりますが、その解決に向けて誠心誠意努力してまいりますので、これまでにも増して皆様方のご支援、ご協力を賜りますようお願い申しあげます。
 

以上