化学肥料Q&A

質問U-3. 有機農業とはどのような農業なのですか。

有機農業とは、化学肥料や農薬に依存しない農法で、有機物を利用して地力を培養しつつ、品質のよい農産物を生産することを目的としていますが、その基本にあるのは、現代農業の反省です。

図E24

 1950年代までは、戦争とそれに続く経済混乱や資材不足により、食糧の増産は非常に大きな問題でした。その後の化学肥料の普及と、それを用いた農業技術の改良は、先進国に食糧の過剰供給をもたらしました。その結果、食糧の質や安全への関心が高まるようになり、今、化学肥料や農薬に依存しない有機農業が注目されています。
 この50年間に、化学肥料を使った農法により食糧の増産が可能になり、生活が豊かになってきました。しかし、食糧増産のために行き過ぎた施肥が行われ、ヨ−ロッパでは地下水に硝酸イオンが蓄積される傾向がみられるようになりました。硝酸は作物の肥料としては欠かせない成分ですが、これを多量に含む飼料を食べた牛は酸素欠乏状態になり、生後間もない人間の赤ちゃんが汚染された地下水を飲むと血液が青くなるブルーベービー症を引き起こすことがあります。
 この他にも、農耕地の塩類集積や砂漠化、農耕地からのメタン・亜酸化窒素などの温室効果ガスの発生など、農業は環境に対して悪影響を与えていることが指摘されはじめました。自然を活用する農業も環境に配慮した生産方式が求められ、物質循環を大切にした有機農業が注目されています。また、食糧が十分に供給されるようになると、より高品質のものを求めるグルメ嗜好の面からも、有機農業に期待が寄せられています。
 有機農業の注目とともに、化学肥料や農薬が悪者になっていますが、実際は、生産活動の効率化とともに農業生産における物質の循環が絶たれ、作物に必要な養分が特定の地域に集中的に蓄積したことが大きな原因です。つまり、有機農業は、現代農業の反省として注目されているといえます。


TOPメニューへ><前の質問><次の質問><Q&Aメニューへ