化学肥料Q&A


質問U-4. 有機農業で食料は十分に供給できるのでしょうか。

農業生産に必要なだけの有機質肥料は入手できず、また価格的にも高いものになります。化学肥料を使わなければ今の農業の生産水準を維持することはできないのです。

図C70

 有機質肥料が安く豊富な時には化学肥料を使わなくても農業を営むことができました。江戸時代後半には、ワタやアイなどの換金作物に魚かすなどが使われていました。明治時代中期からは中国東北部から安いダイズかすが大量に入り肥料として使われました(当時の金肥)。しかし、このような有機質肥料には飼料など他の用途があり、それとの競合により次第に必要なだけの量を確保することができなくなっています。農業の生産性を上げるためには価格の安い化学肥料を使って効率を上げることが必要なのです。
 現在、約40種類の有機質肥料が普通肥料として規格が設定されており、ナタネ油かす、骨粉などが代表的なものになっています。
このように有機質肥料の種類は多いのですが、国内での生産量は限られています。現在、複合肥料(化成肥料・配合肥料など)だけで300万トン前後使われていますが、有機質肥料の生産量は80〜90万トン程度です。有機質肥料の成分は低いので、成分量を同じにして化学肥料に替わるためには今の数倍の有機質肥料を必要とします。
有機質肥料で一番多く使われているのはナタネ油かすですが、これは家畜の繁殖に有害な成分が含まれていたため飼料となら
ず、肥料に使われていたのです。最近ではこの有害な成分が少ないナタネが育種されており、次第に飼料用に使われる量が多くなっています。
 さらに問題は、原料となるナタネはほぼ全量が輸入品だということです。骨粉なども多量に輸入しています。有機質肥料の輸入依存度は高いのです。
 有機質肥料は、このように供給量に制限があるばかりでなく、他の用途との競合があるために、価格が高いのです。
 有機性の資材には、成分の含量が低く、あるいは変動幅が大きいために規格が決められていなく特殊肥料に指定されている、たい肥、下水汚泥などもあります。これらは発生する量は多いのですが、肥効の発現が不安定、重い、臭い、重金属含量など品質的な問題があり、普及が限られています。

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