化学肥料Q&A


質問V-2. 肥料は環境に悪影響をおよぼすことはないのですか。

環境に対しては農業それ自体が大きく影響しています。肥料も無関係ではありません。しかし食料がなければ環境どころではないのも現実です。環境と食料供給を両立させる見地がもっとも重要なのです。

図B21

 農業のためには、森林を切って開墾し地形を変えて作業を容易にするなど、自然に大きな働きかけをしてきました。不適切な農業では侵食、砂漠化の加速などがあって土地荒廃にまでなってしまう例は今でも世界中でみられています。環境保全的な農業が求められているのです。
 肥料についても不適切な使い方をしたときには、環境に対して影響することは明らかです。地下水中での硝酸性窒素の集積は、家畜排泄物のほかに窒素肥料、有機物などの施用も関係しています。肥料製造の際のエネルギーの消費は、二酸化炭素の発生になりますから地球の温暖化に関係します。また窒素を施用したときに発生する亜酸化窒素は、地球温暖化やオゾン層破壊に関係するといわれています。
 肥料は本来は植物の栄養であり、適量を適時に施用すると大部分は植物に吸収・利用されますので、環境に放出されるのは利用されない残りの部分ということになります。したがって植物による利用率を高め、無駄に環境に失われる量を少なくすると、環境に対する影響は最小限にとどめることができます。
 肥料の利用率を高める施肥法の研究は、これまでも土壌肥料学の大きな課題でした。施肥反応の大きな品種を使い、施肥位置、施肥時期、施肥量を適正にするのは環境保全的農業生産においても基本的な技術です。
 農業は食料生産ばかりでなく、緑の効用で環境保全にも大きな貢献をすることができます。二酸化炭素の吸収、酸素の発生、水資源の保全とかん養、保健・休養機能などをその例にあげることができます。肥料を適切に使うと、この緑の効用を大きくすることができるのです。

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