化学肥料Q&A


質問V-5.

資源の循環、再生利用が大切だということですが、 農業ではどのような問題がありますか。

農耕地内では、まず収穫残さの問題があり、この有機物をうまく土壌に返すことが必要です。地域的には畜産からでる多量の廃棄物の循環が重要で、緊急の課題です。

図C102

 収穫残さについては、できるだけ循環利用するように努力されています。稲わらを焼却すると煙公害になることから、できるだけ水田に返すようにしています。ただ野菜では病気を激しくするおそれがありますが、これについてもたい肥化などで病原菌を殺すように研究されています。
 畜産廃棄物の利用は大きな問題です。北海道の酪農地帯では、かつて牛を飼うことの目的はまず地力を高くすることにあり、それによって畑作などの生産を安定させてきました。そこでは有機物の循環は当然のことでした(循環農業)。ただ、最近では購入飼料に依存した多頭飼育が盛んになったために、有機性廃棄物の過剰問題が発生し畜産公害といわれています。養豚・養鶏のように土地と切り離された畜産では、廃棄物の問題は一層深刻なものになっています。
 家畜ふん尿は、たい肥化させて品質が安定したものであれば野菜農家などに喜んで引き取られます。しかし、たい積腐熟が不完全で効果が不安定なものが多いのです。広域的な利用を図るため、粒状化などで流通に適した形態にすることも必要でしょう。
 農産物を原料とした食品産業からの有機物についてももっと利用を図るべきです。ただ、植物油かすなどのように、これまでも肥料化されたり、あるいは他の用途が開発されたものが多いのです。残された有機物は、排水処理の汚泥など、水分が多く腐りやすい利用が難しいものです。
 都市からの有機物も循環の対象になります。農産物中の養分は都市の消費者に送られていますから、その養分は農耕地に返す必要があります。下水汚泥、ごみコンポストが、現代における循環される形態ですが、この問題については、次項に述べます。
 いずれにしても国民全体の協力が必要です。一人ひとりがリサイクリングの重要性を理解し、循環のために必要な社会的な仕組みを作る必要があります。

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