化学肥料Q&A


質問T-6. 化学肥料は日本の農業にどのように役立っていきましたか。

化学肥料を使うことにより、耕地面積当たりの食料生産は増加し、多くの人口を養うことが可能になりました。自給肥料の生産に必要な時間・労力を節約するのにも役に立ちました。

図C54

 世界の国別に農耕地面積当たりの施肥量と穀物の収量をみると、高い相関関係がみられます。欧米諸国では、ここ20〜30年に穀物の単収が大きく伸びましたが、同時に肥料の施用量も急速に増えています。
 日本の水稲も肥料によって現在の高い収量が支えられてきたのです。肥料を使わない国では10アール当たり150〜200kgの収量しか得られていません。肥料がなければ、米を安定して多量に生産することはできません。
 また日本の畜産は、飼料用トウモロコシがアメリカなどから多量に安く入ったことによって急速に発展しました。トウモロコシは多肥作物であり、アメリカでも肥料がなければ、現在の高い収量は得られないのです。
 このように肥料を使うことによって現在の潤沢な食生活が可能になり、農家も生産を続けることができました。しかしその結果として農産物の過剰が問題になり、肥料が非難されだしたのですから皮肉なものです。
収量が多くなると収穫などの作業は多くなるでしょうが、耕起、播種、病害虫防除、除草などの基本的な作業はあまり変わりありません。したがって収量が多いほうが収穫物あたりの労力・時間は減ってきます。肥料はその意味で省力に効果があります。
 植物養分の補給や地力の向上のためには、たいきゅう肥などの有機質資材をもっと有効に使うべきだと私達は考えています。ただ現在では、たい肥などを作るのには大変な労力と時間が必要で、農家にとって大きな負担になっているのも事実です。軽くて少量で有効な化学肥料のほうが農家にとって省力的であることは確かです。
 しかし、これでは長期的に土壌の肥よく度を維持することが困難であり、持続的農業生産の見地からも問題があります。化学肥料と有機資材とをうまく組み合わせて使う視点が重要です。そのためには、たい肥などを効率よく製造し、また施用についても共同で機械化ができるように、技術開発と行政などの施策が必要だと考えています。

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