日本肥料アンモニア協会

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会長挨拶

2025年1月
日本肥料アンモニア協会
会 長  八 木 晋 介


 新年を迎え、謹んでご挨拶申しあげます。

 さて、昨年を振り返りますと、国内においては昨年元日に発生した能登半島地震により甚大な被害が発生いたしました。能登地域ではその後も9月の豪雨によってさらなる被害を蒙っております。現在も政府や自治体が連携して復興支援が進められておりますが、一日も早い復興が実現し、被災地の皆様が日常を取り戻されることを心よりお祈り申し上げます。
 
 また、海外において、昨年は紛争の絶えない1年でありました。ロシアによる軍事侵攻に端を発したウクライナ戦争は間もなく3年となりますが、未だに戦争終結への動きは見られません。また一昨年10月に起こったガザ地区をめぐる紛争では、イスラエルに敵対するイスラム勢力が紅海周辺で船舶への攻撃を繰り返し、多くの船舶がスエズ運河を回避して喜望峰を回ることを余儀なくされました。その結果、国際物流にも深刻な影響を与えております。
 中国においては、現在も肥料の国内供給を優先し、尿素や燐安の輸出を制限しております。そのほか、中国国内の燐鉱石が蓄電池向けに大量消費されるようになり、今日では中国は燐鉱石の輸入国へと変貌しております。
 アメリカにおいては、今月20日にトランプ前大統領が大統領に返り咲き、就任早々多方面で関税を課すことを公言しており、貿易面での混乱も予想されております。
 日本では、ロシアによる軍事侵攻以降の混乱を契機に2022年5月に経済安全保障推進法が制定され、同法に基づき肥料が特定重要物資の一つとして位置付けられております。食料安全保障を強化するため、燐安や塩化カリといった重要な肥料原料の国内備蓄や調達体制の強化が進められております。肥料の原料情勢に依然として不透明感が漂う中、私ども日本肥料アンモニア協会は関連省庁のご協力を仰ぎながら、今後も肥料の安定供給に努めて参ります。             
 環境分野に目を向けますと、昨年はプラスチック汚染防止条約をめぐる政府間交渉や、アゼルバイジャンで開催されたCOP29の結果が注目を集めました。 プラスチック汚染を根絶することを目的とした国際条約制定をめぐる交渉は2022年から続いております。条約交渉は政府間交渉委員会、いわゆるINC(インク)で行われており、日本からは外務省、環境省、経産省が中心となり交渉団を構成しています。当協会は、経産省と業界が条約交渉の方向性について意見交換をする場であるINCインナー会議に一昨年から参加し、関係諸団体と共に協議して参りました。条約交渉は計5回の開催が予定されており、昨年11月25日から韓国・釜山で5回目の条約交渉が開催されました。しかし、プラスチックの生産制限等をめぐる意見の対立から合意が見送られ、結果的に再開会合を開催し議論を継続することとなりました。当協会では2022年1月に、全国農業協同組合連合会、全国複合肥料工業会と共に、「2030年にはプラスチックを使用した被覆肥料に頼らない農業に。」を理想に掲げ、「緩効性肥料におけるプラスチック被膜殻の海洋流出防止に向けた取組方針」を公表しております。現在も関係各社が新たな被膜資材の開発や代替施肥技術の開発に取り組んでいるところでございます。今後も、条約交渉をめぐる動向を注視しつつ、プラスチック汚染防止の理想実現に向けて取り組みを進めて参ります。
 次に地球温暖化に関連した話題として、昨年11月7日、欧州連合の気象情報機関は、昨年の世界の平均気温が「パリ協定」で掲げている上昇幅である1.5℃を上回る見通しだと報じました。近年、特に途上国では気候変動による被害が一段と深刻になっています。そのような中、昨年11月にアゼルバイジャンで開催された第29回気候変動枠組み条約締約国会議、いわゆるCOP29においては、温暖化対策で先進国から途上国向けに拠出する気候資金増額について、辛うじて合意に至りました。一方、日本国内においては、温暖化対策としてCO2排出量が年10万トン以上の企業に参加を義務づける排出量取引制度が2026年度から本格稼働する予定となっており、その具体化に向けた検討が現在進んでおります。              
 私どもの扱い製品であるアンモニアは、化学品や肥料などの既存の市場のほか、脱炭素化を指向した燃料用としての市場拡大が見込まれております。船舶分野の燃料としても注目されており、昨年夏には世界初のアンモニア燃料商用船が就航しております。                         
 当協会としましては、これまで培ってきた技術交流などを通じて安全操業に努め、アンモニアの安定供給に努めると共に、燃料アンモニアに関連する取り組みを推進することで、カーボンニュートラルに向けた動きにも対処貢献して参ります。             
 私ども日本肥料アンモニア協会は、今年も基礎素材で暮らしを支える業界として社会に貢献するとともに、会員企業の皆様にお役に立つ事業活動を進めていく所存でございます。             
 最後になりますが、関係者の皆様方の益々のご多幸、ご隆盛、そして今年が業界と会員各社様にとって飛躍の一年となりますことを祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。             
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。             

以上


沿革

日本肥料アンモニア協会は2003年(平成15年)7月に日本アンモニア協会と日本化成肥料協会が合併して発足しましたが、そこに至るまでの両協会の沿革は以下の通りです。 

日本アンモニア協会
1932年(昭和07年)硫安配給組合設立
1936年(昭和11年)硫安肥料製造業組合設立
1946年(昭和21年)アンモニア系製品懇話会設立
1947年(昭和22年)硫安肥料工業経営者連盟設立
硫安工業復興会議設立
1948年(昭和23年)アンモニア系製品協会設立
1950年(昭和25年)日本硫安工業協会設立
1990年(平成02年)日本硫安工業協会・アンモニア系製品協会が合併
日本アンモニア協会設立
日本化成肥料協会
1910年(明治43年)過燐酸同業者会設立
1931年(昭和06年)燐酸肥料工業組合設立
1936年(昭和11年)過燐酸肥料製造業組合設立
1947年(昭和22年)燐酸肥料工業会設立
1947年(昭和22年)燐酸肥料経営者親交会設立
1951年(昭和26年)燐酸肥料経営者親交会を燐酸肥料協会と改称
1959年(昭和34年)化成肥料協議会設立
1966年(昭和41年)燐酸肥料協会・化成肥料協議会が合併
日本化成肥料協会設立


活動概要

協会名称 日本肥料アンモニア協会
(英語表記 Japan Fertilizer & Ammonia Producers Association)
設立 平成15年7月1日
事業目的 当協会は肥料・肥料原料及びアンモニア並びにア系製品の製造・販売会社であって、本会の趣旨に賛同するものを持って組織され、会員相互の連絡及び親睦をはかり、肥料・アンモニア工業の健全なる発達を期する事を目的としています。
事業概要

当協会はその目的を達成するため、次に掲げる事業を行っています。

  1. 会員相互の連絡、親睦、啓発並びに情報の交換
  2. 肥料・アンモニア工業に関する調査研究
  3. 肥料・アンモニア工業の生産および技術の向上
  4. 環境に関する調査、研究並びに対策
  5. 労働、安全に関する調査、連絡
  6. 業界意見の発表、献策並びに陳情
  7. 肥料・アンモニア工業に関する広報活動及び各種肥料の普及活動
  8. その他


協会機構図

会   長 八 木 晋 介 日産化学株式会社 代表取締役社長
副 会 長 高 橋   健 サンアグロ株式会社 代表取締役社長
基本問題検討委員会委員長 沖 川 敏 章 日産化学株式会社
執行役員化学品事業部長
基本問題検討委員会副委員長 篠 澤 浩 二 サンアグロ株式会社
取締役営業本部副本部長


会員名簿

朝日アグリア株式会社

旭化成株式会社

エムシー・ファーティコム株式会社

小野田化学工業株式会社

片倉コープアグリ株式会社

サンアグロ株式会社

ジェイカムアグリ株式会社

新ケミカル商事株式会社

住友化学株式会社

セントラル化成株式会社

多木化学株式会社

東亞合成株式会社

日産化学株式会社

日本肥糧株式会社

阪和興業株式会社

三井化学株式会社

三菱ガス化学株式会社

UBE株式会社

株式会社レゾナック

 



協会所在地ならびに交通案内


住所 〒101-0052 東京都千代田区神田小川町2-3 温恭堂ビル5階
電話番号 03-6285-0880
ファックス 03-6285-0881
交通案内
都営地下鉄新宿線  小川町駅 B7出口 徒歩1分
東京メトロ丸の内線 淡路町駅 B7番出口 徒歩1分
東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 B7番出口 徒歩1分
            
JR御茶ノ水駅   徒歩8分
JR神田駅     徒歩10分
JR秋葉原駅    徒歩12分             
東京メトロ神保町駅 徒歩9分             
東京メトロ大手町駅 徒歩12分


統計

単肥及び複合肥料需給実績
      平成14肥料年度 平成15肥料年度
平成16肥料年度 平成17肥料年度 平成18肥料年度 平成19肥料年度 平成20肥料年度
平成21肥料年度 平成22肥料年度 平成23肥料年度 平成24肥料年度 平成25肥料年度
平成26肥料年度 平成27肥料年度 平成28肥料年度 平成29肥料年度 平成30肥料年度
令和1肥料年度 令和2肥料年度 令和3肥料年度 令和4肥料年度 令和5肥料年度

単肥及び複合肥料都道府県別出荷実績
      平成14肥料年度 平成15肥料年度
平成16肥料年度 平成17肥料年度 平成18肥料年度 平成19肥料年度 平成20肥料年度
平成21肥料年度 平成22肥料年度 平成23肥料年度 平成24肥料年度 平成25肥料年度
平成26肥料年度 平成27肥料年度 平成28肥料年度 平成29肥料年度 平成30肥料年度
令和1肥料年度 令和2肥料年度 令和3肥料年度 令和4肥料年度 令和5肥料年度

化成肥料に係る設備能力に関する調査
  平成27肥料年度1-6月 平成28肥料年度 平成29肥料年度 平成30肥料年度
令和1肥料年度 令和2肥料年度 令和3肥料年度 令和4肥料年度  

アンモニア需給実績
        平成15会計年度
平成16会計年度 平成17会計年度 平成18会計年度 平成19会計年度 平成20会計年度
平成21会計年度 平成22会計年度 平成23会計年度 平成24会計年度 平成25会計年度
平成26会計年度 平成27会計年度 平成28会計年度 平成29会計年度 平成30会計年度
令和1会計年度 令和2会計年度 令和3会計年度 令和4会計年度 令和5会計年度

おすすめ情報

硫安・尿素をご使用の方々へお知らせ

リンク



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