会長挨拶
2024年7月
日本肥料アンモニア協会
会 長 八 木 晋 介
この度、日本肥料アンモニア協会会長に就任いたしました日産化学の八木晋介でございます。会長就任にあたりご挨拶申し上げます。
まず初めに、元日に発生した能登半島地震により被災された方々に心よりお見舞い申し上げますと共に、一日も早い復興をお祈り申し上げます。一刻も早く復旧され、従来の生活を取り戻されます様お祈り致します。
日米の金利差を背景にした昨今の円安は、物価高と共に国内消費や企業活動に多大な影響を及ぼしています。その一方、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ5類に移行したことで、国内の経済活動は徐々に活発化しつつあります。また、円安を背景としたインバウンド消費の拡大は、観光業や関連産業を中心に大きな恩恵をもたらしています。
国内経済が回復していく中、人手不足の問題も浮き彫りになってきました。とりわけ働き方改革関連法によって今年4月以降、自動車運転業務の時間外労働の上限が年間960時間と定められ、安定した物流体制を維持するためには「物流の2024年問題」への対応が急務となっております。日本肥料アンモニア協会は、全国複合肥料工業会と共に、経済産業省・農林水産省・国土交通省が策定した「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に基づき、物流適正化の取り組みを一層進めるべく、昨年自主行動計画を策定いたしました。
環境汚染対策に関しては、2022年3月の国連環境総会にて、プラスチックごみ汚染問題に対処するための国際条約制定を各国が合意したことを受け、政府間交渉委員会(いわゆるINC)での交渉が進んでおります。今年4月にはカナダ・オタワにおいて第4回政府間交渉委員会(INC4)が開催され、INC3を受けて作成された条文案のオプションについて整理・統合の議論が行われました。私共協会としては昨年10月以降、日本政府と業界との意見交換の場であるINCインナー会議に参加して関係諸団体と共に協議しているところであり、年末に韓国・釜山で開催される予定のINC5に向けて議論を深めているところであります。
また、地球温暖化対策に関しては、昨年末にUAEのドバイで国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)が開催され、パリ協定で掲げられた目標達成に向けて世界全体の進捗状況を評価する、いわゆるグローバル・ストックテイクが初めて実施されました。その成果文書では、2021年に英国で開催されたCOP26で示された「1.5度目標」を達成するため、2025年までに温室効果ガス排出をピークアウトさせ、2030年までに43%、2035年までに60%の排出を削減する必要があると指摘されております。また、再生可能エネルギー、原子力、CCUS(二酸化炭素<CO2>回収・有効利用・貯留)などのCO2除去技術や、低炭素水素などを含む低炭素排出技術の加速が明記されています。日本においてもアンモニアや水素などのクリーン燃料の普及を図ることでカーボンニュートラルを目指すとしており、石炭火力発電所でのアンモニア混焼実証試験が始まったところであります。今後ますますアンモニアの利用が増加すると考えられる中、当協会では1995年に作成された技術資料「高圧ガス(液体アンモニア)の移動に関する基準」の改定作業を昨年行いました。今後改定された技術資料を活かすべく行動して参ります。
国際社会に目を向けますと、2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻は終わりが見通せない状況が続いております。戦争による甚大な被害が報じられる中、軍事侵攻開始以降に1億8千万トンものCO2が追加的に排出されたとの試算も出されています。また、インドをはじめとしたグローバルサウスと呼ばれる新興国の経済成長も著しく、2023年のCO2排出量は過去最高を記録したとも報じられております。ロシアの軍事侵攻以降、世界は分断されているとの指摘もありますが、環境問題への取り組みは世界共通の課題であり、世界が協力して諸問題を解決していくことが今問われていると思われます。
国内外ともに多くの難題を抱え、肥料・アンモニア工業においても数多くの課題への取り組みが急務となっております。先に述べたプラスチック汚染防止や地球温暖化防止といった環境問題への対応のほか、日本の農業を支える肥料は食糧自給の面だけでなく、安全保障の観点からも重要性が増しており、生産基盤を支えるための支援が必要となっています。このような状況に鑑み、私共協会は諸課題に対しひとつひとつ誠心誠意取り組んで参りますので、皆様方のご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上
沿革
日本肥料アンモニア協会は2003年(平成15年)7月に日本アンモニア協会と日本化成肥料協会が合併して発足しましたが、そこに至るまでの両協会の沿革は以下の通りです。
日本アンモニア協会
1932年(昭和07年) | 硫安配給組合設立 |
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1936年(昭和11年) | 硫安肥料製造業組合設立 |
1946年(昭和21年) | アンモニア系製品懇話会設立 |
1947年(昭和22年) | 硫安肥料工業経営者連盟設立 硫安工業復興会議設立 |
1948年(昭和23年) | アンモニア系製品協会設立 |
1950年(昭和25年) | 日本硫安工業協会設立 |
1990年(平成02年) | 日本硫安工業協会・アンモニア系製品協会が合併 日本アンモニア協会設立 |
日本化成肥料協会
1910年(明治43年) | 過燐酸同業者会設立 |
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1931年(昭和06年) | 燐酸肥料工業組合設立 |
1936年(昭和11年) | 過燐酸肥料製造業組合設立 |
1947年(昭和22年) | 燐酸肥料工業会設立 |
1947年(昭和22年) | 燐酸肥料経営者親交会設立 |
1951年(昭和26年) | 燐酸肥料経営者親交会を燐酸肥料協会と改称 |
1959年(昭和34年) | 化成肥料協議会設立 |
1966年(昭和41年) | 燐酸肥料協会・化成肥料協議会が合併 日本化成肥料協会設立 |
活動概要
協会名称 | 日本肥料アンモニア協会 (英語表記 Japan Fertilizer & Ammonia Producers Association) |
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設立 | 平成15年7月1日 |
事業目的 | 当協会は肥料・肥料原料及びアンモニア並びにア系製品の製造・販売会社であって、本会の趣旨に賛同するものを持って組織され、会員相互の連絡及び親睦をはかり、肥料・アンモニア工業の健全なる発達を期する事を目的としています。 |
事業概要 | 当協会はその目的を達成するため、次に掲げる事業を行っています。
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協会機構図
会 長 | 八 木 晋 介 | 日産化学株式会社 代表取締役社長 |
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副 会 長 | 高 橋 健 | サンアグロ株式会社 代表取締役社長 |
基本問題検討委員会委員長 | 沖 川 敏 章 | 日産化学株式会社 執行役員化学品事業部長 |
基本問題検討委員会副委員長 | 篠 澤 浩 二 | サンアグロ株式会社 取締役営業本部副本部長 |
会員名簿
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協会所在地ならびに交通案内
住所 | 〒101-0052 東京都千代田区神田小川町2-3 温恭堂ビル5階 |
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電話番号 | 03-6285-0880 |
ファックス | 03-6285-0881 |
交通案内 |
都営地下鉄新宿線 小川町駅 B7出口 徒歩1分 東京メトロ丸の内線 淡路町駅 B7番出口 徒歩1分 東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 B7番出口 徒歩1分 JR御茶ノ水駅 徒歩8分 JR神田駅 徒歩10分 JR秋葉原駅 徒歩12分 東京メトロ神保町駅 徒歩9分 東京メトロ大手町駅 徒歩12分 |
統計
単肥及び複合肥料需給実績
平成14肥料年度 | 平成15肥料年度 | |||
平成16肥料年度 | 平成17肥料年度 | 平成18肥料年度 | 平成19肥料年度 | 平成20肥料年度 |
平成21肥料年度 | 平成22肥料年度 | 平成23肥料年度 | 平成24肥料年度 | 平成25肥料年度 |
平成26肥料年度 | 平成27肥料年度 | 平成28肥料年度 | 平成29肥料年度 | 平成30肥料年度 |
令和1肥料年度 | 令和2肥料年度 | 令和3肥料年度 | 令和4肥料年度 | 令和5肥料年度 |
単肥及び複合肥料都道府県別出荷実績
平成14肥料年度 | 平成15肥料年度 | |||
平成16肥料年度 | 平成17肥料年度 | 平成18肥料年度 | 平成19肥料年度 | 平成20肥料年度 |
平成21肥料年度 | 平成22肥料年度 | 平成23肥料年度 | 平成24肥料年度 | 平成25肥料年度 |
平成26肥料年度 | 平成27肥料年度 | 平成28肥料年度 | 平成29肥料年度 | 平成30肥料年度 |
令和1肥料年度 | 令和2肥料年度 | 令和3肥料年度 | 令和4肥料年度 | 令和5肥料年度 |
化成肥料に係る設備能力に関する調査
平成27肥料年度1-6月 | 平成28肥料年度 | 平成29肥料年度 | 平成30肥料年度 | |
令和1肥料年度 | 令和2肥料年度 | 令和3肥料年度 | 令和4肥料年度 |
アンモニア需給実績
平成15会計年度 | ||||
平成16会計年度 | 平成17会計年度 | 平成18会計年度 | 平成19会計年度 | 平成20会計年度 |
平成21会計年度 | 平成22会計年度 | 平成23会計年度 | 平成24会計年度 | 平成25会計年度 |
平成26会計年度 | 平成27会計年度 | 平成28会計年度 | 平成29会計年度 | 平成30会計年度 |
令和1会計年度 | 令和2会計年度 | 令和3会計年度 | 令和4会計年度 | 令和5会計年度 |